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ペインクリニック外来

ペインクリニック外来の概要

2025年4月から毎週火曜日に、疼痛治療の専門医により慢性疼痛の外来診療を行なっています。薬物療法(内服薬、点滴)や神経ブロックなどを組み合わせて治療致します。

痛みは身体の異常を知らせる警告となり、痛みを契機としてその原因となる病気が診断され、治療が行われます。原因疾患の治癒とともに多くの痛みは消失しますが、痛みだけが長く続くこともあります。

痛みは大別すると、

  • 侵害受容性疼痛(普通の痛み。炎症、怪我、手術の傷などによる)
  • 神経障害性疼痛(脳、脊髄、末梢神経の病変による痛み。腰椎椎間板ヘルニアとか帯状疱疹後神経痛など)
  • 痛覚変調性疼痛(脳の神経回路が変化し、体の障害の割に強い痛みを感じる。線維筋痛症など)

に分類されます。

手足や腰など痛みを感じている体の部位とその痛みを伝える末梢神経そして、その痛み信号を認識する脳の神経回路とは密接に関連しています。帯状疱疹による痛みのように、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛が混ざった痛みもあります。また、侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛を契機に、脳の神経回路で変化が起こり、痛みを感じ易くなる事もあります。

痛みが強い時には、神経ブロックは有効な治療法です。また、近年、痛みの性質に応じた様々な薬が開発されています。従来から解熱鎮痛剤として広く使われて来た薬の他に、神経障害性疼痛に効く薬やがんの痛みにも用いる麻薬系(オピオイドと総称される)の薬が加わりました。これらの鎮痛薬は眠気、だるさを伴う事もありますので、あまりたくさん鎮痛薬を内服すると日常生活に支障が出る恐れがあります。始めは神経ブロックで痛みを軽減しておいて、ある程度軽くなったら神経ブロックはやめて、鎮痛薬を適度に内服して普通の生活に戻ることを目指します。“運動”することも痛みに効果があることが明らかにされています。ペインクリニック外来では、薬物療法や神経ブロックなどで痛みを軽減して、やがて末梢神経や脊髄、脳の“痛い”という記憶が薄れて、遂には痛みがなくなって治ってしまう。こうした経過を目標にして治療を行います。

当ペインクリニック外来の対象となる疾患

帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、外傷や手術後の慢性痛、線維筋痛症、痛みを伴うCOVID-19後遺症(新型コロナ後遺症)、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、脳や脊髄障害後の神経障害性疼痛、など。

線維筋痛症は難治性の疼痛疾患で、患者さんは痛みを感じ易い状態になっています。また、倦怠感、疲労感、brain fogと言われるボーとした感じ、めまい、物忘れ、嘔気、筋力低下など様々な症状を伴うこともあります。病気の発症には複数の要因が関与すると思われますが、あまり明らかにはなっていません。治療法も確立されていません。現時点では治療は薬物療法を中心とした対症療法になります。線維筋痛症においては通常の血液検査やレントゲン、MRIなどの画像検査では異常が検出されないことが多いです。我々は安静時機能的MRI解析による診断法の開発、病態解明の研究を行って来ました。他院において線維筋痛症患者さんのご協力を得て、下記の研究論文を発表しました。

「Functional connectivity associated with attention networks differs among subgroups of. fibromyalgia patients: an observational case-control study.  Scientific reports, 2024; 14(1) 10197-10197.」安静時機能的MRI解析によって、線維筋痛症患者にはサブグループがあって、慢性的な疼痛刺激や心理的な刺激など何らかの要因によって脳の神経回路が変化して痛みを感じるタイプの人と、ウイルス感染後遺症などなんらかの神経障害によって痛みを感じ易くなるタイプの人がいることが明らかになった。

COVID-19後遺症については、息切れなどの呼吸器症状、心血管障害、腎機能障害などの臓器症状については専門の内科受診をお勧めします。当ペインクリニック外来では主に疼痛について対症療法を行います。

ペインクリニック外来 診療予定表

診療日:火曜日
受診は予約制です。紹介状をご持参ください。
入院・時間外の診療は行っておりません。

ペインクリニック外来 医師紹介

臨床指導医
青江 知彦

  • 出身大学: 千葉大学1987年卒 医学博士
  • 専門分野: 疼痛学、麻酔科学
  • 日本ペインクリニック学会専門医
  • 日本専門医機構専門医麻酔科領域
  • 日本麻酔科学会認定指導医

関連研究について

学会発表

  • 青江 知彦, 川中 涼子, 大曽根 文雄, 原 啓, 横川 徳造 慢性疼痛患者の臨床症状と中枢神経系の機能的結合との関連の検討. 日本麻酔科学会第70回学術集会. 優秀演題. 2023
  • 青江 知彦, 川中 涼子, 大曽根 文雄, 原 啓, 横川 徳造 線維筋痛症と慢性疲労症候群の類似性と差異についての検討. 日本麻酔科学会第71回学術集会. 2024
  • 青江 知彦, 川中 涼子, 大曽根 文雄, 原 啓 COVID-19後遺症と線維筋痛症・慢性疲労症候群の中枢神経系の機能的変化の解析. 日本麻酔科学会第72回学術集会. 2025

論文

  • Aoe T. Pathological Aspects of COVID-19 as a Conformational Disease and the Use of Pharmacological Chaperones as a Potential Therapeutic Strategy. Frontier in Pharmacology. 2020, 11:1095.
  • Tomohiko Aoe, Ryoko Kawanaka, Fumio Ohsone, Akira Hara, Tokuzo Yokokawa. Functional connectivity associated with attention networks differs among subgroups of. fibromyalgia patients: an observational case-control study. Scientific reports, 2024; 14(1) 10197-10197.
  • Ryoko Kawanaka, Hisayo Jin, Tomohiko Aoe. Unraveling the Connection: Pain and Endoplasmic Reticulum Stress. Ryoko Kawanaka, International Journal of Molecular Sciences, 2024; 25(9),4995
  • Tomohiko Aoe. Fibromyalgia: A Multifactorial Pain Disorder. International Journal of Molecular Sciences 2026, 27 (11), 4813